「生理前になると1日中食べている。」
「生理前は甘いものを無性に食べたくなる。」
このような生理前の悩みを抱える方は多いのではないでしょうか。
実際に、女性の約6割が生理前に食欲が増えると感じているという調査データもあります。
普段頑張って食生活に気を付けていても、生理前に食べ過ぎてしまうと健康への影響や体重増加が気になるところ。
そこでこの記事では、生理前の止まらない食欲の原因や対策について解説します。
生理前の過食と上手に付き合う方法も解説しているので、ダイエットを頑張りたい女性の参考になれば幸いです。
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生理前に食欲が増加する原因
生理前に食欲が増加する原因は、女性ホルモンである「プロゲステロン」の増加です。
プロゲステロンには、体に水分や糖質を蓄えようとする性質があります。
その性質のために、生理前位には体が糖分を欲して食欲が増加したり、むくみが出たりするのです。
つまり、生理前に食欲が旺盛になるのは自然の現象といえます。
誰にでも起こりうることなのです。
しかし、欲望のままに際限なく食べ続けてしまうと体調を崩したり、理想の体型を維持できなくなったりしてしまいます。生理前の食欲増加が気になる方は、食事の内容や食べ方を工夫する必要があります。
生理前の食欲をコントロールする方法7選
生理前の止まらない食欲に対処したいという方へ、食欲をコントロールする方法を7つ紹介します。
食べたいと思ったら軽い運動をする
食べたい気持ちがわいてきたら、軽い運動をしてみましょう。
運動をすると余計に食べたくなるようなイメージがあるかもしれません。
しかし実際には、運動をすると食欲が抑えられるということが研究により報告されています。
どうしてもおやつを食べたくなったときには、ジョギングやなわとびなど、すぐにできる運動をするとよいでしょう。
趣味で気分転換する
食欲を我慢できなくなったときは、趣味で気分転換をしてみましょう。
「夢中になることをしていたらあっという間に時間が過ぎてしまった」という経験は誰しもがあるはずです。
熱中できる趣味を満喫したり、外出したりして気分転換を図ることで、精神的身体的にもリフレッシュされ、ストレス解消にもつながります。
自身が熱中できるような好きなことを「気分転換リスト」としてリストアップしておくと、何をしようか思いつかないときにもすぐに実践できるためおすすめです。
生活リズムを整える
食欲のコントロールには、生活リズムを整えることも大切です。
生活のリズムが崩れ、食事の摂取時間が不安定になると、太りやすい体質になることが判明しています。
食欲をコントロールするには、次のような点に配慮して生活リズムを整えましょう。
- 就寝・起床時間を安定させる
- 早起きして朝食をとる
- 昼食・夕食はできるだけ決まった時間に食べる
可能な限り毎日同じリズムで生活することで、体内時計が整い、食欲のコントロールにつながります。
参照元:生活習慣病の予防や改善を目指した時間栄養学(2021)
食欲を抑えるツボを押す
食欲を抑えるツボを活用するのも、生理前の過食対策におすすめです。
耳には「肺」と呼ばれる食欲を抑えるツボがあります。
このツボ周囲に胃腸の働きに関係する神経の一部があるため、刺激することで食欲が抑えられるといわれています。
食欲を抑えたいときや口寂しいときに、痛気持ちいいくらいの強さで押すと効果的です。
ぜひ試してみてください。
参照元:肥満の耳針療法(1981)全鍼灸誌 31巻1号
大阪行岡医療大学「≪鍼灸科≫ 押して、もんで、セルフdeツボ療法(10)」
アロマテラピーを取り入れる
生活にアロマテラピーを取り入れると、生理前の過食防止につながります。
エッセンシャルオイルの香りには、睡眠改善や疲労回復、さらには食欲を抑える効果など、さまざまな嬉しい効果があることが判明しているのです。
ダイエットに効果があるといわれている香りの一部を紹介します。
- キンモクセイ:食欲抑制
- グレープフルーツ:食欲抑制、脂肪蓄積抑制
- ラズベリーケトン:脂肪分解、吸収抑制、脂肪燃焼
スプレーで空間に香りを広げたり、ハンカチに香りをしみこませて楽しめたりと手軽に活用できるのがアロマテラピーのメリットです。
自分に合った方法でアロマテラピーを過食対策に取り入れてみてください。
睡眠の質を高める
睡眠の質を高めることも、生理前の過食対策として効果的です。
「睡眠不足は太る」は迷信ではありません。
睡眠が不足していると、睡眠をたっぷりとった日に比べ、食欲を抑えるホルモンである「レプチン」の分泌が少なくなります。
さらに、食欲を高めるホルモンであるグレリンの分泌が増え、結果的に食欲が増大するのです。
生理前は眠気が強くなりがちですので、体の声を聞いていつもよりしっかり睡眠をとると過食対策につながるでしょう。
婦人科に相談する
生理前の食欲に悩む場合、婦人科に相談するという方法もあります。
自分で色々と対策を試してみても過食が止まらず、そのストレスも大きいときには、婦人科を受診しましょう。
PMSの症状をやわらげる漢方や、低用量ピルによるホルモンのコントロールなどの方法があります。
受診の際には基礎体温表の提出をお願いされることがありますので、事前に自分で基礎体温をつけておくとスムーズです。
生理前の過食の傾向
生理前になると、つい偏った食品を食べ過ぎてしまうものです。
生理前の過食の傾向を紹介します。
甘いものを食べたくなる
チョコレートやアイスなどの甘いものを無性に食べたくなる人は多いでしょう。
疲れた時に甘いものを食べるとホッとしますよね。
実際に、糖分を摂取すると「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンという脳内物質が分泌され、脳がリラックスします。
プロゲステロンの働きに加えて生理前のイライラやストレスにより、甘いものを欲していると考えられます。
脂っこいものを食べたくなる
普段はそうでもないのに、生理前になるとポテトや唐揚げなどの脂っこいものが食べたくなる人もいます。
甘いものを食べた時と同じように、脂肪分の多い食品を食べると人は幸せな気持ちになるのです。
また、脂っこい食品の中には塩辛いものも多い傾向にあります。
「塩辛いものを欲しているときは、ミネラルが不足している」という説もあります。
ミネラルの一つであるカリウムには水分を体の外に排出する作用があるため、体がむくみがちな生理前の時期に、自然とカリウムを取り入れようとしているのです。
参照元:ヒトはなぜ甘いものや脂肪分に富む食物を好むのか(1995)
際限なく食べ続ける
生理前は、とにかくずっと食べ続けてしまう人もいます。
プロゲステロンの働きにより体に糖分を蓄えようと食べ続けてしまうと考えられます。
また、生理前はいつもよりイライラしたり、怒りっぽくなってしまうことも多いでしょう。
そのやり場のないイライラを解消するために、際限なく食べてしまうのです。
ダイエット中の女性必見!生理前の過食との付き合い方
生理前に食べ過ぎてしまうのは自然なこととわかっていても、ダイエット中の方は体重増加が気になるところでしょう。
生理前の食べたい気持ちとの上手な付き合い方を紹介します。
食事を小分けして少しずつ摂る
常になにかを食べたくなってしまう場合、食事を小分けして少しずつ摂る「分割食」がおすすめです。
具体的には、1日3食のところを4食、6食など小分けにして食べるとよいでしょう。
「何度も食べたら余計に太るのでは?」と心配になる方もいるかもしれません。
実際には、分割食にすることで、結果的に1日の総エネルギー量が減ったという研究もあります。
生理前にどうしても食事量が増えてしまう方は、1日の食事量を小分けにして食べることを心がけてください。
参照元:夕食を分割摂取することが肥満による代謝異常に及ぼす多面的効果(2013)
よく噛んでゆっくりと食べる
よく噛んでゆっくりと食べることも大切です。
ゆっくりとよく噛むと、速食いを予防して満腹感が得られやすくなり、食事の摂取量を減らすことができます。
目標は「一口30回」。
毎食一口ずつ30回噛むことは簡単ではありませんが、ぜひ30回を目標に、よく噛むことを意識してみてください。
また、スマホを操作しながらや動画を見ながらの「ながら食事」はやめましょう。
他のことに集中しながら食事をすると、食事に意識が行かず、噛む回数が減ります。
食べ物の味をしっかりと味わうことなく食事が終わってしまうので、満足感を得られにくく「もっと食べたい」という気持ちがわいてきてしまいます。
食事をするときは、ながら食べをやめて食べることに集中しましょう。
よく噛んでゆっくりと味わうことが、過食防止につながります。
参照元:農林水産省 「第4次食育推進基本計画」 ゆっくりよく噛んで食べていますか?
厚生労働省「速食いと肥満の関係-食べ物をよく「噛むこと」「噛めること」
野菜から食べ始める
野菜から食べ始めるのも大切なポイントです。
同じ食事内容であっても、食物繊維がたくさん含まれている野菜を先に食べると、ダイエットだけでなく、糖尿病をはじめとする生活習慣病予防にも効果があります。
食物繊維には食物からの糖分の吸収を抑える働きがあるため、先に野菜を食べることにより血糖値の上昇を抑えてくれるのです。
ダイエット期間中だけではなく、普段から「野菜から食べ始める」ことを意識できるとよいでしょう。
大豆製品を多めに摂る
生理前の過食対策として、大豆製品もおすすめです。
大豆には良質なたんぱく質とカルシウムが豊富に含まれています。
小腹が空いたときには豆乳を飲んだり、食事を豆腐でかさ増しして空腹を満たすとよいでしょう。
また、大豆にはイソフラボンという女性ホルモンに似た作用をもつ成分が含まれています。
ホルモンバランスを整える作用があり、PMS(月経前症候群)に効果があります。
豆乳・納豆・豆腐・おからなど、大豆製品はレパートリーが豊富なので、自分に合った食品や食べ方を見つけてみてください。
間食にナッツ類を選ぶ
生理前の間食には、ナッツ類がおすすめです。
ナッツ類は歯ごたえがあり、満足感を得られるうえ、ビタミンやタンパク質なども多く含まれていて栄養が豊富な食材です。
ブレイクタイムや小腹が空いたとき、ついチョコレートやクッキーに手が伸びがちですが、ナッツ類に変えれば効率よく体に必要な栄養素を補給できます。
ただし、ナッツ類の加工品には注意が必要です。
塩や砂糖、油分が添加されているものも多く出回っているため、ダイエット目的でナッツを選ぶなら、味がついていない「素焼き」のものを選びましょう。
素焼きでもよく噛んで食べれば、十分に満足感を得られます。
「食欲が増すのは仕方ない」と割り切る
生理前の過食は、「仕方がない」と割り切ることも大切です。
生理前にたくさん食べたくなるのは誰にでも起こりうる自然なことです。
無理をして我慢しては疲れてしまい、ストレスも溜まります。
ボディビルダーや女優さんなど、減量のプロフェッショナルに「チートデイ」を設けている人もいます。
チートデイとは、「反則の日・ズルの日」の意味を持つ、ダイエット中に好きなものを自由に食べてもいい日のこと。
適切に取り入れることで、栄養補給やストレス発散の効果があることが分かっています。
「生理前くらいは」と少しだけ自分を甘やかして、自由に食べるのもひとつの方法です。
食べすぎた翌日は軽い食事で済ます
食べ過ぎてしまった日の翌日は、軽い食事で済ませましょう。
生理前に限らず、食事会や飲み会などで食べ過ぎてしまうのはよくあることです。
そのようなときは、翌日の食事内容を見直しましょう。
食べ過ぎたからといって食事を抜いてしまうと、次の食事で大量に食べてしまう危険性が高まります。
あくまでも「軽い食事」をするのがポイントです。
普段どんぶり物や炭水化物中心の食事の人は、定食にして白米を半量にするなど、バランスの良い食事を心がけましょう。
食べ過ぎると自分を責めてしまうこともありますが、「明日の食事を軽くして調整しよう」と思うことで気持ちを楽にしてみてください。
まとめ
生理前の過食の原因は、女性ホルモンの働きによるものです。
生理前の過食を減らすには、以下のことを行うとよいでしょう。
- 食べたいと思ったら軽い運動をする
- 趣味で気分転換する
- 生活リズムを整える
- 食欲を抑えるツボを押す
- アロマテラピーを取り入れる
- 睡眠の質を高める
- 婦人科に相談する
状況によっては、婦人科でのホルモン治療がおすすめなケースもあります。
自分の心と体の声をよく聞き、どうしてもつらければ婦人科に相談してみてもよいでしょう。