「サクセンダって危険?」
「痩せる薬なんて体に悪いのでは?」
サクセンダを使ってみたいと思っていても、副作用や安全性が心配な方は多いのではないでしょうか。
理想の美しい体型に近づきたいはずなのに、健康に影響が出てしまっては本末転倒です。
この記事では、サクセンダの危険性や安全に使用するための正しい使用方法を解説します。
サクセンダの使用に不安がある方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
サクセンダによるダイエットは危険ではない
サクセンダダイエットは、正しく行えば危険ではありません。
サクセンダは、デンマークの製薬会社であるノボノルディスク社が開発した世界各国で承認を受けた「肥満治療薬」だからです。
現在日本ではダイエット目的での使用は未承認のため、安全性が気になる方もいるでしょう。
肥満治療薬であるサクセンダは、アメリカ食品医薬品局(FDA)、ヨーロッパ医薬品庁(EMA)、韓国食品医薬品安全処(MFDS)など世界各国で承認を得ています。
つまり、薬としての安全性は、世界の政府機関が保証しているのです。
さらに日本においては、サクセンダと同じ「リラグルチド」を主成分とする薬が、糖尿病治療薬として承認・使用されています。
これらのことから、サクセンダは危険な薬ではないことがわかります。
しかし、どのような薬であっても副作用はあります。
正しい使い方を守らない場合はリスクが生じるのです。
サクセンダダイエットを安全に行いたい方は、副作用や正しい使用方法を知っておきましょう。
サクセンダの使用で起こる可能性のある副作用
サクセンダの代表的な副作用は以下のとおりです。
- 頭痛・めまい
- 吐き気・嘔吐
- 下痢・便秘
- 低血糖
- 急性膵炎
それぞれ具体的に紹介します。
頭痛・めまい
サクセンダを服用すると、頭痛やめまいを感じることがあります。
頭痛やめまいはよく起こる副作用のひとつです。
なお、症状が出現しても、数日から数週間で治まる方が多い傾向にあります。
吐き気・嘔吐
吐き気や嘔吐などの消化器系の症状が起こることがあります。
サクセンダは食欲を抑える薬であるため、胃や腸に関する副作用が多いのです。
なかでも、吐き気は最もよく起こると症状であるといわれています。
薬に慣れてきた数日〜数週間で治まってくるケースが多いようです。
下痢・便秘
下痢や便秘もよく起こる副作用です。
これらも数日から数週間で改善するといわれていますが、どうしても症状が強くてつらい場合は医師や薬剤師に相談してみましょう。
低血糖
低血糖は、血糖値が下がりすぎてしまった状態のことを呼びます。
次のような症状があらわれたら、すぐに受診してください。
- お腹がすく
- 冷汗が出る
- 血の気が引く
- 疲れやすい
- 手足のふるえ
- けいれん
- 意識の低下 など
程度によっては命に関わる可能性もあります。
低血糖の際にどのような症状が出るのか、あらかじめ知っておきましょう。
急性膵炎
急性膵炎は、突然起きる膵臓の炎症です。
激しい痛みが起こることが特徴です。
次のような症状があらわれたら、すぐに受診してください。
- 吐き気
- 嘔吐
- 激しい上腹部の痛み
- 背中の痛み
- お腹にあざができる
- お腹が張る など
参照元:Saxenda「Consumer Medicine Information (CMI) summary」
知っておくべきサクセンダの安全な使用方法
ここからは、サクセンダを安全に使用するための注意点を紹介します。
- 医師の指示に従って使用する
- 薬の飲み合わせに注意する
- 必ず処方されたものを使用する
- 誰でも使用できるわけではないことを理解しておく
それぞれ詳しく解説します。
医師の指示に従って使用する
サクセンダを使用する際には、必ず医師の指示に従いましょう。
初めてサクセンダを使用する際、まずは少量から始めて効果と副作用の状況をみながら徐々に増量していきます。
早く痩せたい気持ちから、使用量をどんどん増やしていきたい方もいるかもしれません。
しかし、自己判断で調整すると、効果が得られなかったり、副作用が出現しやすくなったりする可能性があるのです。
定期的に医師の診察を受け、指示通りに服用しましょう。
薬の飲み合わせに注意する
サクセンダは他の薬との併用に注意が必要です。
以下のことに気を付けてください。
- オゼンピックやビクトーザなど他のGLP-1薬との併用は禁止
- インスリンとの併用は禁止
- 糖尿病の治療薬との併用は注意が必要なため、医師に内服していることを伝える
上記の薬以外にも併用に注意が必要な薬があるため、内服している薬や常用しているサプリメントなどがあれば、医師に伝えましょう。
必ず処方されたものを使用する
サクセンダを使用する際には、必ず医療機関で処方されたものを使用してください。
日本国内で正規に流通している医薬品は、法律に基づいて安全性や有効性が確認されています。
一方で、個人輸入される外国製品に日本と同一の保証はありません。
実際に無承認・無認可の医薬品に異物が混入していた事例も発生しているのです。
安易に個人輸入サイトから購入することは安全性の面で非常に危険であることを認識しておきましょう。
また、サクセンダを使用している期間は、必ず定期的に医師の診察を受けてください。
安全な製品を使用し、副作用があらわれた際にすぐに対応できるようにするためにも、医療機関を受診して購入するようにしましょう。
参照元:厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」
誰でも使用できるわけではないことを理解しておく
サクセンダは誰でも使える薬ではありません。
健康状態によっては使用できないことがあります。
次の項目に当てはまる方は、サクセンダの使用に危険が伴うため禁止されています。
- 他のGLP-1薬を使用している
- 糖尿病の治療中
- 心臓の病気がある
- 膵炎、重度の胃腸障害の症状や既往歴がある
- 妊娠を予定している
- 妊娠中・授乳中
- 子どもや高齢者
上記以外にも、医師の判断により使用できない場合があります。
受診の際に必ず自身の健康状態を医師に伝えましょう。
サクセンダの正しい使い方
サクセンダを使用する場合には、注射薬を自宅に持ち帰り、自身で注射をする必要があります。
ここからは、サクセンダの正しい使い方を解説します。
保存方法
サクセンダは1本で複数回使用できる注射薬です。
保存方法は使用する前と後で異なります。
いずれにしても、子どもが手の届かない場所に保存しましょう。
未使用の保管方法、使用中の保管方法はそれぞれ次のとおりです。
未使用の場合
未使用のサクセンダは、必ず冷蔵庫で保管します。
凍結しないよう注意しましょう。
また、冷蔵庫の中の食べ物と区別し、清潔に保管してください。
使用中の場合
使用中のサクセンダは、室温(30℃以下)か冷蔵庫で保管します。
なお、一度開封したものは、1ヶ月以内に使用してください。
注射の方法
サクセンダは自身で注射をする自己注射薬です。
自己注射は初めての場合緊張しますが、徐々に慣れていきますのであせらず使用していきましょう。
必要なものを準備
注射を始める前に、必要なものを準備します。
- サクセンダ本体
- 新しい針
- アルコール綿
- 使用済みの針を入れる容器
清潔な机の上で準備するようにしましょう。
打ち方
基本的な打ち方は次のとおりです。
- 注射針を本体に取り付ける
- 空打ちをして、正しく動作することを確認する
- ダイヤルを回し、投与量を設定する
- 注射部位を消毒し、注射する
- 注射針を外す
- 本体にキャップをして保管する
なお、空打ちとは、針を皮膚に刺す前に空中で薬液を出す行為です。
針内部の空気を抜くことと、正常に動くことを確認することを目的に実施します。
本体に針を取り付けた後、皮膚に針を刺す前にダイヤルを回し、注射針を上を向けて注入ボタンを押して薬液を出します。
サクセンダに関するよくある質問
ここからは、サクセンダを使用する際のよくある質問について回答します。
サクセンダの効果はいつから実感できる?
サクセンダは、通常2週間以内に効果が現れ始めます。
使い始めは少量からスタートし、効果と副作用をみながら徐々に使用量を増やしていきます。
また、サクセンダを開発したノボノルディクス社は「カロリーを減らした食事と身体活動の増加とともに使用する必要があります」と注意を促しています。
食事と運動を意識しながらサクセンダを使うことで体重減少が実感しやすくなり、継続への意欲がわいてくるでしょう。
サクセンダでうつ病になる?
サクセンダの副作用として、「うつ病または精神的な変化」が起こるとされています
しかし、これは0.3%と非常に低い確率です。
過剰に心配しすぎる必要はありませんが、以下のような症状があらわれたら注意しましょう。
- 気分が落ち込む
- 何をしていても楽しめない
- 悪いほうにばかり考えてしまう
- 眠れない、過度に寝てしまう
- 体がだるい、疲れやすい
- 頭痛や肩こり
- 動悸 など
使用中に不安や気分の不調が出現したときには、必ず医師に相談してください。
参照元:国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所「うつ病」
サクセンダはどこで購入できる?
サクセンダは美容医療を取り扱うクリニックや、肥満外来のあるクリニックで購入できます。
インターネットで個人輸入をして購入することもできますが、安全性の面でおすすめできません。
近頃はオンライン診療で、自宅にいながら医師の診療を受けて薬も処方してもらえるクリニックが増えています。
自身のライフスタイルに合ったクリニックを選択し、サクセンダ使用中は必ず定期的に受診しましょう。
空打ちがもったいないと感じてしまいます。対処法は?
サクセンダを使用する際、毎回「空打ち」を行います。
空打ちは次の2つの目的で実施します。
- 針内部の空気を抜くため
- 正常に動くことを確認するため
もし空打ちをせず使用し、正常に薬液が出ていなかった場合は薬の効果を得ることができません。
しっかりと効果を得るためにも、毎回必ず空打ちをしてください。
まとめ
サクセンダは、安全に使用すれば危険な薬ではありません。
使用に当たっては、以下のことに注意しましょう。
- 医師の指示に従って使用する
- 薬の飲み合わせに注意する
- 必ず処方されたものを使用する
- 誰でも使用できるわけではないことを理解しておく
医師や薬剤師の指導を受けながら正しく使用すれば、安全に痩せることが可能です。
どのような薬であっても副作用は存在します。
サクセンダも例外ではありません。
使用にあたっては起こりうる副作用を理解し、体調に変化があれば必ず医師に相談しましょう。