ヒアルロン酸注射の効果は?肩や膝関節の痛みに必要な期間と副作用

「肩にヒアルロン酸注射を打つ時の副作用は?」
「関節痛などへの効果はあるの?」

このようなお悩みをお持ちではありませんか?
ヒアルロン酸注射はほとんど副作用がない治療法です。
なぜならヒアルロン酸の成分自体は体内に存在している物質なので、極めて副作用が少ない治療法といえます。

ヒアルロン酸は慢性的な関節痛の痛みを和らげる効果があります。
ですが根本的な治療法にはなりません。
あくまでも、痛みを和らげる治療法とお考え下さい。

今回は、ヒアルロン酸注射の効果は、痛みが改善されるのに必要な期間や、副作用のリスクに関してをまとめました。
ぜひ参考にしてください。

この記事のポイント
  • ヒアルロン酸注射の効果
  • 関節痛などへの効果
  • ヒアルロン酸注射の副作用

この記事を読んでいただければ、ヒアルロン酸注射の副作用について知ることができます。
ヒアルロン酸注射をご検討の方はぜひ、副作用を事前に把握して、安心して施術を受けてください。

症状別のヒアルロン酸注射の効果

症状別の効果
ヒアルロン酸注射による効果が期待できる代表的な関節痛の種類は以下になります。

  • 四十肩・五十肩
  • 半月板損傷
  • 変形性膝関節症

次に、上記の症状と原因について、解説していきます。

四十肩・五十肩

肩の動きが悪くなり痛みが出ます。
肩関節がこわばって腕を動かしにくくなるので、髪を整えるときやシャンプー時、服を着るときなどに不自由を感じるでしょう。
そのまま放置して進行してしまうと、肩の関節を包む関節包と呼ばれる袋が硬化し、肩があがりにくくなってしまいます。

四十肩・五十肩の原因

加齢によって肩部分の関節を覆う膜や骨同士を結びつける靱帯の柔軟性が低下することだと考えられています。
筋肉と骨をつないでいる腱板が年齢とともに変性し、炎症を起こすことも原因の一つです。
また、加齢による血液循環の悪化も肩の周辺組織の炎症原因と言われています。

ヒアルロン酸で期待できる効果

ヒアルロン酸は、関節内部を満たす関節液の主成分です。関節液内のヒアルロン酸が減少すると骨と骨の間の粘り気や弾力性は低下し、関節が痛みます。
ヒアルロン酸を補充することで、痛み緩和が期待できるのです。

半月板損傷

半月は膝関節の大腿骨と脛骨の間にあるC型の軟骨様の板です。
クッションとしての機能と揺れを減少させ身体を安定させる役割を持ちます。
ここが損傷すると膝の曲げ伸ばし時に痛みやひっかかりを感じます。悪化すると、膝に関節液がたまったり、膝が動かなくなったり、歩けなくなるほどの痛みが生じたりします。

半月板損傷の原因

スポーツなどの際のけがが原因の外傷性の場合、体重が加わった状態でのストップやターン動作や衝撃などによって半月のみが損傷するケースと、前十字靱帯損傷などに伴って起こるケースがあります。
加齢によって傷つきやすくなってしまった半月に微妙な力が加わって損傷する「変性断裂」の場合もあります。
半月は年齢を重ねると変性するので、40歳以上では些細な外傷が半月損傷の原因となるケースもあるようです。

ヒアルロン酸で期待できる効果

ヒアルロン酸は高い水分保有率を持ち、傷ついた半月板の関節の潤滑油やクッションのような役割を果たしてくれます。
その役割で、関節の痛みや腫れの軽減効果を発揮すると言われています。
関節炎治療用のヒアルロン酸は、高齢者の変形性膝関節症の治療用に開発されたのですが、近年はスポーツ選手の半月板治療にも使われるようになったようです。

注意しなければいけない点は、この注射で軟骨は再生されるわけではないこと。
ヒアルロン酸は時間経過で吸収・消失しますので、効果を持続させるためには注射を継続する必要があります。

変形性膝関節症

女性に多く発症し、高齢者になるほど高い罹患率となっています。
膝の痛みと水がたまることが特徴です。初期では動作開始時は痛みますが、休めば痛みはなくなります。
中期には正座や階段の昇降が難しくなり、末期では安静時にも痛みが続き、膝を伸ばすことができなくなり歩行困難になります。

変形性膝関節症の原因

関節軟骨の老化が原因のことが多く、遺伝子的要素や肥満も関係します。
また、骨折や靱帯・半月板損傷などの外傷後遺症として発症する場合もあるようです。

加齢によるものでは、関節軟骨が年齢を重ねるに連れて弾力性を失ってすり減り、関節が変形します。女性に多く発症し、高齢者になるほど高い罹患率となっています。

ヒアルロン酸で期待できる効果

軟骨の主成分であるヒアルロン酸は、軟骨を保護し炎症を除去する効果や、軟骨の破壊を防止する働きがあると言われています。

鎮痛効果が出るまでの期間

鎮痛効果が出るまでの期間
ヒアルロン酸注射の効果が出るまでの期間や、持続時間はどの程度かを解説していきます。

即効性がある

ヒアルロン酸の注射は、注射後2~3日は少し違和感があるかもしれませんが、その後痛みがラクになります。
1週間に1度注射し、5回続けるのが一般的な治療法です。

筋肉トレーニングとヒアルロン酸注射、あるいは装具療法を組み合わせ、痛みが強いときには痛み止めの薬を使うのが基本的な治療法となっています。
ヒアルロン酸投与で、多くの方が痛みの少ない日常生活を送れるようになっているようです。

効果の持続期間

関節にヒアルロン酸を注射すると、関節液の粘力性やクッション性が一時的に回復。
その結果として、膝の痛みが改善されます。

しかし、ヒアルロン酸注射の効果はあくまでも短期的なものであり、決して長く続くものではありません。
ヒアルロン酸以外の薬物療法や日常生活の改善、理学療法、装具療法などを組み合わせて保存的治療を行います。
保存療法で効果が得られなかった場合、手術療法を検討することになるでしょう。

  • ヒアルロン酸で痛みの根本の治療はできない
  • 痛みの改善はすぐに効果がでる

ヒアルロン酸注射の副作用

"ヒアルロン酸注射の副作用”
ヒアルロン酸は、元々人間の身体のさまざまな部位に存在します。

関節の痛みの治療としてのヒアルロン酸注射は、注射によってヒアルロン酸を補充し、正常な関節液に近い状態を作ることによって、潤滑と衝撃吸収作用を増加させ、痛みの軽減を図ります。

副作用は非常に少なく、一般的には注射箇所に若干の痛みを感じるくらいだと言われています。

ただし、リスクが存在しないわけではありません。以下の副作用の可能性がありますので、十分注意する必要があります。

感染症

黄色ブドウ球菌の感染が発生し、疼痛・腫脹などの症状が出る可能性があります。
変形性膝関節症の痛み緩和のためにヒアルロン酸注射を受けていた患者が黄色ブドウ球菌に感染し、その後死亡したケースも報告されています。

参照:注射による細菌感染防止策

関節内出血

関節の違和感、痛みや腫れ、熱感などの症状が出ます。

ショック症状

血圧や体温の低下、意識障害を認められ、重症の場合には命に関わります。

過敏症

発熱・発汗・寒気、ふらふら感・しびれ、呼吸困難、かゆみ・発疹・紅潮、眼や口のといった粘膜部分周囲の腫れ、意識障害が見られるケースです。

まとめ


肩や膝の痛みを改善するヒアルロン酸注射は整形外科で受けられます。
五十肩、半月板損傷、変形性膝関節症といった、痛みを伴う関節の病気にヒアルロン酸注射は効果を発揮します。
ヒアルロン酸注射はあくまでも痛みや炎症を抑える対症療法で、進行や症状を改善する原因療法ではないのです。
副作用もほとんどない治療ですが、まれに感染症などの重い症状を発症するケースもあり、リスクゼロではありません。

整形外科で受けられるヒアルロン酸注射はあくまでも炎症・痛みを緩和する補助的な存在。
病気の進行や症状を改善するためには、運動療法が必要なことを忘れないでください。