【フォトフェイシャル】起こりうる副作用や失敗を防ぐためのポイントを解説

肌トラブルの対処方法としてフォトフェイシャルという施術を聞いたことがあるでしょうか。
フォトフェイシャルはいくつものトラブルを同時に治療できることに加え、ダウンタイムがないので受けやすいということが知られています。
しかし、リスクも秘めているので施術を受けるときには注意が必要です。
この記事ではフォトフェイシャルの基礎知識から副作用まで幅広く解説します。

フォトフェイシャルって何?

フォトフェイシャルって何?
フォトフェイシャルとはどのような治療方法なのかをまず基本的なところから理解しておきましょう。
フォトフェイシャルは光治療の一種で、肌に色々な波長の光をまとめて照射していくのが特徴です。
短波長の光も長波長の光も含んでいる束のような光を照射することで、それぞれの波長の光を吸収する細胞組織が刺激されて活性化されます。
そして、その活性化によって新陳代謝が良くなったり、細胞組織の分解が起こったりといった様々な変化が生まれることによって、しみやくすみ、たるみやしわ、赤ら顔や毛穴開きなどの様々な肌トラブルを同時に改善できるようになってきます。

フォトフェイシャルはIPL治療の元祖の治療方法とも言われていて、レーザー光ではなく短いパルスで幅広い波長のマイルドな光を照射する仕組みになっています。
日本ルミナス株式会社の登録商標となっている施術方法として多くの美容クリニックで採用しているのがフォトフェイシャルです。
色々な波長の光を使うことによって色素に反応させるのが特徴で、肌が持っている赤色や黒色、茶色などの色素に光が反応することによって活性化が起こります。
そのため、ニキビ跡など、色調の変化を伴う肌トラブルに対して高い効果があることが知られています。

このようにして概要を確認するとフォトフェイシャルは万能な施術と思われがちですが、レーザー治療のように強い光を使うわけではないので、一回の照射による効果はそれほど高くはありません。
光の力を分散させることによって効果を幅広くする代わりに一回あたりの改善効果が弱くなっていると考えると良いでしょう。
そのお陰でリスクが低くてダウンタイムもないというメリットも生まれていますが、継続的な施術をしていかなければなかなか効果が実感できないというのも確かです。
ただ、フォトフェイシャルはダウンタイムがないのがやはり大きな魅力で、日常生活に問題が起こりにくく、続けやすくて気軽に受けられることで定評があります。

フォトフェイシャルによって得られる効果とは?

フォトフェイシャルによって得られる効果とは?
フォトフェイシャルは色々な波長の光を使って肌の細胞が持つ色素にエネルギーを与えて刺激をするのが特徴です。
しわやたるみの改善が典型的なもので、赤色の光によって生み出される効果ということが知られています。
真皮層にある線維芽細胞と呼ばれる肌を作り上げている細胞の一種を強く刺激するのが赤色の光の特色で、光による刺激を受けてヒアルロン酸やコラーゲン、エラスチンなどといった肌の形成に重要な成分の生成を促すことができます。
潤いがあってハリもあるみずみずしい肌を作り上げるためにはこのような成分が欠かせないので、フォトフェイシャルによる刺激が肌を美しく生まれ返させてくれるでしょう。

ニキビ肌の改善にもフォトフェイシャルは有効で、大人のニキビに対しても改善効果を期待できます。
ニキビが皮脂の過剰分泌によって起こっているときにはフォトフェイシャルをすると細胞が刺激されて皮脂の分泌が低下し、肌質を改善することができるからです。
しみやくすみができてしまっているときにもフォトフェイシャルが効果的で、赤色の光の刺激で活性化を受けると肌のターンオーバーを進める力が働きます。
肌の老化によってしみやくすみは生じてしまいやすいことが知られていますが、ターンオーバーが正常化すると新しい細胞に置き換えられていきます。
着色の原因になっているメラニン色素も蓄積しにくくなり、美白効果が得られるのです。

この他にも赤ら顔や炎症などの肌の赤みの改善にもフォトフェイシャルが効果を発揮します。
毛細血管とその内部のヘモグロビンに対してフォトフェイシャルの光を当てることで毛細血管を収縮が促されます。
赤みの原因は血液中のヘモグロビンの色なので、血管が引き締められて肌の表面近くにある血液の量が減ると自然な形で赤みを改善されるのです。

実際の施術の流れとは?

実際の施術の流れとは?
フォトフェイシャルを受けるときにはどのような流れになるのかを確認しておきましょう。
私たちのようなクリニックではまず電話やなどでカウンセリングを実施しています。
カウンセリングでどんな肌のトラブルを持っているのかを説明し、来院してから肌の状態をチェックしてもらいます。
そして、フォトフェイシャルを受けると決めたらクレンジングをしてメイクをきれいに落として施術を受けられる状態にするというのが基本的な準備です。
その状態で施術を行う前の注意事項に関する説明を受けます。

施術ではまず肌の表面にジェルを塗ってフォトフェイシャルを受けたときのダメージを軽減できるように保護します。
そして、目を保護するためにアイカバーを装着したら機械を使って光を照射してもらいます。
いきなり施術を全体に行っていくのではなく、まずはシミに反応する波長の光を照射してみて反応がどうなるかを見るのが基本です。
そして、患部の状態に応じて色々な波長の光を照射していくというのが流れです。
このときに輪ゴムで弾かれたような刺激を感じることもあるのは念頭に置いておきましょう。

施術を終えたら保冷剤を使ったり、炎症を抑えるためのクリームを塗ったりしてクールダウンをします。
弱いとはいえ光による刺激を受けた後なので、最後に美容液などで保湿ケアをして施術を終えるというのがフォトフェイシャルの一連の流れです。

フォトフェイシャルによって生まれる失敗とは?

フォトフェイシャルによって生まれる失敗とは?
フォトフェイシャルを受けるときにはデメリットもあることを念頭に置いておく必要があります。
確かにフォトフェイシャルは他の治療法と比べると肌への負担が小さくて済むので安心して受けられるのが魅力です。
しかし、光による刺激があるのは確かで、リスクも伴う医療行為なのです。
ここではフォトフェイシャルによって生まれることがある失敗について紹介します。
何が起こり得るのかがわかっていると対応もしやすいのでしっかりと覚えておきましょう。

肝斑の悪化

フォトフェイシャルを受けて失敗してしまうケースとしてまず挙げられるのが肝斑の悪化です。
フォトフェイシャルの副作用として知られているのがシミが一時的に濃くなってしまうこと。
光の照射を受けた直後にシミが濃くなったという印象を受ける場合がほとんどなので覚えておきましょう。
これは自然な経過なので心配する必要はありません。
1週間~2週間で改善してしまうので一般的には大丈夫なのですが、肝斑の場合には悪化してしまって改善しない可能性もあるため、注意しましょう。
肝斑はシミの一種で左右対称に表れることが特徴として知られています。
治りにくいシミで比較的広い範囲に広がることからフォトフェイシャルをする前に有無を確認し、治療をしてからフォトフェイシャルを受けるのが肝心です。

シミやかさぶたの発生

フォトフェイシャルを受けたときに起こる失敗としてシミの発生や再発が挙げられます。
フォトフェイシャルを受けた後、すぐに日焼けをしたり、施術後のクールダウンが不十分だったりするとシミの再発が起こることがあるのです。
一度はシミが薄くなったように見えても、メラニン色素の蓄積が起こってしまってまたシミができてしまう場合があるのできちんとアフターケアをする必要があります。
フォトフェイシャルを受けた直後は肌が刺激を受けやすい状態になってしまっているので紫外線などの刺激に弱いことは念頭に置いてケアをしていきましょう。

症状がひどくなるとかさぶたができてしまったり、炎症が起こって腫れや赤みが出たりすることもあります。
フォトフェイシャルを受けてから1週間くらいでとれることが多いので、落ち着いて対応しましょう。
熱っぽいような感じの場合には冷やすと改善しやすくなります。

色素沈着による痒みややけど

フォトフェイシャルでは色素沈着に伴って痒みが生じてしまう失敗も起こることがあります。
もともと日焼けをしていた人の場合には肌の細胞にかなり多くのメラニン色素があるのでフォトフェイシャルの光による反応が大きくなりがちです。
その結果として色素沈着が起こることもありますが、シミの場合と同様に冷却不足によって火傷が起こることもないわけではありません。
敏感になった肌が痒くなることもあるので、きちんと冷却して肌をクールダウンするのが大切です。
基本的には照射する光の出力が肌の状態に対して強すぎていたときや、冷却不足だったときに起こる失敗として知られています。
心配なときには医師に相談をして光を弱めてもらったり、クールダウンを徹底して行ってもらったりするのが良い方法です。

フォトフェイシャルを受けるうえでの注意事項とは?

フォトフェイシャルを受けるうえでの注意事項とは?
フォトフェイシャルを受けるときにはどのような点に注意しておくと良いのでしょうか。
まず、フォトフェイシャルの出力の強さは重要な注意事項で、レーザーのように強い光ではないものの、肌に合わない強さに設定されているとトラブルが発生する原因になってしまいます。
肌の反応を見ながら照射の強さをコントロールするのが適切な方法です。
また、短期間で頻繁にフォトフェイシャルを受けてしまうと肌のターンオーバーが間に合わなくなってしまいます。
本来のターンオーバーの周期を考慮して頻度は控え気味にした方がトラブルが起こってしまうリスクが少なくなるので安心です。
ダウンタイムがないからといって焦らずにじっくりと治療を進めるようにしましょう。

肝斑がある人は先に治療するのは既に述べた通りですが、自分ではシミだと思い込んでいたものが肝斑だったということもあり得ます。
気になるシミは必ず医師に説明して診察をしてもらいましょう。
カウンセリングのときにはシミか肝斑かを見てもらえるだけでなく、そもそもフォトフェイシャルを受けられる状態なのかどうかを判断してもらえます。
日焼けをし過ぎていてリスクが高い場合や、妊娠中で避けるべきタイミングのとき、光アレルギーを持っていて光の照射が難しいときなどには施術を受けられない可能性があるのできちんと相談しておきましょう。

最後に重要な点として挙げられるのがセルフケアです。
フォトフェイシャルの施術後は肌が乾燥しやすく、紫外線の刺激も受けやすいなど脆弱な状況になります。
保湿ケアを丁寧にして、さらに日焼け止めをして太陽からの刺激を和らげるといったケアを率先して行っていくようにしましょう。
このようなセルフケアがフォトフェイシャルの効果を高め、肌質を改善することにもつながります。

失敗しないためのクリニック選びのポイント

失敗しないためのクリニック選びのポイント
フォトフェイシャルをやはり受けてみたいと思ったときにはクリニック選びを慎重に行いましょう。
フォトフェイシャルに限らず美容医療を受ける上で欠かせないのが医師によるカウンセリングと施術の説明の質です。
カウンセリングを受けるときに悩みをよく聞いてくれることや、施術のメリットだけでなくデメリットやリスク、副作用などを詳しく説明してくれることを重視してクリニックを選びましょう。
問題になり得ることを患者に説明するのは医師にとって義務なので、私たちのように理解してもらえるまで説明するクリニックなら利用者を第一と考えて対応してくれると期待できます。

フォトフェイシャルは医療行為として確立されているものの、医師が施術をしなければならないのが原則です。
看護師に施術をさせているようなクリニックは違法行為をしていることになるので避けた方が良いでしょう。
医師が施術を行っていることに加えて、悩みを持っている利用者一人一人に適したプランを作って提案をしてくれるのかも確認しておくと安心です。
また、フォトフェイシャルは技量による効果の有無や副作用の頻度がかなり違うことが知られています。
クリニックを選ぶときには一回あたりの費用を重視する人もいますが、施術者の技量を重視した方が安心です。
長期的に見ると費用対効果が高くなるので、私たちのように経験があって技術的にも十分な医師に対応してもらえることを重視しましょう。

デメリットも加味しながらフォトフェイシャルの利用を検討しよう

デメリットも加味しながらフォトフェイシャルの利用を検討しよう
フォトフェイシャルの基本的な内容に加えてよくある失敗について紹介しましたが詳しく理解できたでしょうか。
フォトフェイシャルに限らず、どのような医療行為でも多かれ少なかれデメリットやリスクはあります。
事前に自分で知識を付けて、デメリットがないか、受けられる恩恵は大きいのかを考えて施術を選ぶようにしましょう。