「体脂肪は運動して減らすっていうけど、具体的にどうすればいいかわからない……」
このように、体脂肪を減らすための有効な運動方法がわからずに悩む方は少なくありません。
体脂肪は運動をして減らせますが、効果的に落とすコツや正しい方法を踏まえて実践することが大切です。
また、いくら運動をがんばっても食べ過ぎてしまっては意味がありませんので、食生活の改善も同時に実践していきましょう。
今回は、体脂肪を効果的に減らすための筋トレや有酸素運動の方法、食事改善のポイントを紹介します。
体脂肪の落とし方のまとめは下記記事をチェック!
目次
体脂肪を減らすトレーニングの前に知るべきポイント
体脂肪を減らす効果的な運動方法の前に、まずは体脂肪とは何か、減らすうえでどんな点に注意すべきかについて説明します。
体脂肪は減らし過ぎてもいけない
そもそも体脂肪とは、人間の体内にある脂肪の総称のこと。
それは「皮下脂肪」と「内臓脂肪」に分類されるもので、以下のような重要な役割があります。
- エネルギーの蓄積
- 体温の保持
- 内臓の保護
- 細胞膜など材料の保持
何かと目の敵にされる体脂肪ですが、このように人間が生きていくうえで必要不可欠な機能の維持を担います。
そのためやみくもに減らすのではなく、適正の範囲内に絞る意識が大切です。
一般的に健康とされる体脂肪率の目安は、「男性:10~19%」「女性:20~29%」。
女性の場合、男性よりも健康に必要な脂肪の比率が高いため、落とし過ぎには注意してください。
体脂肪を減らす有効な方法は「大きな筋肉を鍛える」
体脂肪を効果的に減らすには、大きな筋肉を鍛えることです。
大きな筋肉とは具体的に、太もも前側の筋肉である大腿四頭筋、その後ろ側のハムストリングス、お尻の筋肉である大臀筋、腹筋、背筋などが該当します。
これら大きな筋肉を積極的に鍛えることで、基礎代謝が向上して体脂肪が落ちやすくなります。
大きな筋肉を鍛えるもう一つのメリットは、ミトコンドリアの増加と活性化につながる点。
エネルギー産生に重要な役割を担うミトコンドリアには、脂肪の燃焼や糖の代謝を活発にする働きもあります。
ミトコンドリアは筋肉に多く存在し、中でも上記の太ももやお尻の筋肉、腹筋などの大きな筋肉に多く含まれるのが特徴です。
これら大きな筋肉を重点的に中鍛えることで、体脂肪を効率よく落とせるようになるでしょう。
自宅でも可能!体脂肪を減らす運動【筋トレ】
体脂肪を減らす運動としてまず重視したいのが、筋トレ。
具体的には以下のような方法がおすすめです。
- ワイドスクワット
- ヒップリフト(バックブリッジ)
- 踏み台昇降(ステップ運動)
いずれも自宅でできる簡単なメニューばかりですので、週2~3回程度を目安に取り組みましょう。
ワイドスクワット
ワイドスクワットは、大きな筋肉が集中する下半身の強化につながる筋トレです。
- 肩幅程度に両足を広げて立つ
- つま先を45度くらいに上げる
- そのまま腰を落としていき、太ももの裏と床が平行になるくらいのところで止めて、腰を上げる
- この動作を20回繰り返す
ヒップリフト(バックブリッジ)
ヒップリフト(バックブリッジ)は、体幹まわりを鍛えるのに効果的な筋トレです。
お腹の周囲の遅筋にはミトコンドリアが多く含まれており、定期的に動かして体脂肪の燃焼に努めましょう。
- 仰向けになる
- 手のひらを上に、両手を広げる
- 両脚を軽く開いて膝を90度ほど曲げる
- お尻を持ち上げる。このとき肩は床につけたままで、肩から膝まで一直線の状態を意識する
- この状態を30秒キープ
踏み台昇降(ステップ運動)
踏み台昇降(ステップ運動)も足腰など下半身強化につながる筋トレです。
踏み台となる専用の台が必要ですが、ない場合は階段のステップや腰掛け椅子を調整するなどして代用しましょう。
- 右足(左足)を踏み台に乗せる
- 踏み台の上にまっすぐ立つ
- 踏み台の上にまっすぐ立つ
- 右足(左足)から降りて床に立つ
- 1~3の動きをもう片方の足でも繰り返す
- 1セット5分を目安に3~4セット繰り返す
【有酸素運動】でさらに脂肪燃焼アップ!
筋トレに加え、体脂肪を燃焼してエネルギーに変える有酸素運動もとり入れていきましょう。
大きな筋肉が集中する下半身トレーニングにおすすめの有酸素運動は以下の通り。
- ウォーキング
- ジョギング
- サイクリング
ウォーキング
ウォーキングは比較的負荷の少ない有酸素運動なので、あまり体を動かす習慣がなかった方や運動が苦手な方がはじめる際におすすめです。
ウォーキングといっても普通に歩くのではなく、軽く汗が出る程度の早歩きをイメージしてください。
ウォーキングで体脂肪燃焼効果を狙うなら、1日5~10㎞は歩きましょう。
この距離であれば、脂肪燃焼効果が得られる20分以上の有酸素運動になります。
効果を引き出すためにも週4回程度は取り組みたいところです。
ジョギング
ジョギングも基礎代謝の向上と体脂肪の燃焼促進に効果のある有酸素運動です。
ジョギングはウォーキングより負荷が高いため、ダイエット効果も比較的早く表れるでしょう。
ジョギングの時間と回数の目安ですが、1日20分以上、週に3回は取り組みたいところです。
疲労回復のためにも適度に間隔をあけて走るのがおすすめです。
また、軽くてクッション機能もあるジョギング専用のシューズだと、快適に走れて長持ちもしますよ。
サイクリング
「自転車に乗るのが運動になるの?」と思われるかもしれませんが、サイクリングはウォーキングより負荷が高くて消費カロリーも多い有酸素運動です。
太ももとふくらはぎの筋肉が鍛えられるため、早く漕いだり坂道を上がったりするときは筋トレに近い効果も期待できます。
サイクリングも毎日行う必要はなく、週3回を目標に取り組みましょう。
運動で体脂肪を減らす際のポイント
ここでは、体脂肪を減らす運動をする際のポイントについて解説します。
筋トレだけでなく有酸素運動も兼ねる
体脂肪減少のためのトレーニングは、1日に筋トレと有酸素運動の両方をこなすのがおすすめです。
筋トレをすると基礎代謝が上がります。
その状態でウォーキングやジョギング、サイクリングなどの有酸素運動を行えば、脂肪の燃焼効果もさらに高まるわけです。
それぞれの時間の目安ですが、「筋トレ30分」「有酸素運動20分」行うと脂肪の燃焼が加速し、より早く効果が表れるでしょう。
運動の前後にストレッチを行う
運動の前後にはストレッチを行い、筋肉や関節を伸ばしましょう。
筋トレ前にストレッチを行うことでケガの予防につながります。
ストレッチには血行を促進する効果もあるため、運動後に筋肉をほぐすことで疲労の回復を早めます。
それまで運動する習慣のなかった方はとくにケガ予防としてストレッチを重視してください。
トレーニングは週2回以上をノルマに
いくら効果のある運動といえ、1回行うだけで体脂肪は減りません。
上記の筋トレと有酸素運動を組み合わせたトレーニングは、週2回以上は実施したいところ。
消費カロリーを上げる運動をコツコツ継続することで、基礎代謝が向上し、脂肪の燃焼が進むようになります。
また、長時間の運動を一度に行うよりも、短時間でもよいのでコツコツ続けるほうが体にもやさしく効果的です。
体脂肪を減らす食事のコツと注意点
体脂肪を運動のみで減らすのは非効率的です。
合わせて食生活の改善も心がけましょう。
食事では以下のポイントを押さえてください。
- 摂取カロリーは消費カロリーを超えない範囲に抑える
- 高たんぱくの食事を意識する
- カロリーの減らし過ぎには要注意
摂取カロリーは消費カロリーを超えない範囲に抑える
いくら運動をがんばって消費カロリーを増やしても、食事で摂取カロリーがそれ以上になってしまえば意味がありません。
体脂肪は、「消費カロリー>摂取カロリー」の状態になったときに落とせます。
摂取カロリーを抑える方法はいろいろとありますが、何より優先すべきは糖質・脂質を意識して減らすことです。
糖質や脂質を抑えて野菜を意識して食べるようにするだけで摂取カロリーは減らせます。
ほかにも以下のような方法がおすすめです。
- なるべく自炊する
- 添加物の多い食品や加工食品は避ける
- ファーストフード類やスナック菓子などは極力食べない
- 夕食は早めの時間に済ませる
- アルコールはなるべく控える
高たんぱくの食事を意識する
たんぱく質は骨や筋肉を形成する重要な栄養素であり、積極的に摂取することで基礎代謝を上げて脂肪の燃焼効果を高めます。
たんぱく質を多く含むのは鶏むね肉やささみなどの肉類、マグロやイワシ、サバ、アジなどの魚類、卵や大豆、乳製品などです。
これらの高たんぱくな食品を意識してとり入れて体脂肪を減らしましょう。
カロリーの減らし過ぎには要注意
体脂肪を落とすためとはいえ、カロリーの減らし過ぎには注意してください。
筋トレや有酸素運動を定期的に続けるにはカロリーも必要で、これが不足すると疲労がたまりやすくなってトレーニングを続けられない体になることも。
また、過剰な食事制限は基礎代謝量の低下にもつながり、かえって痩せにくい体になる点にも注意しなければなりません。
大切なのは、栄養バランスです。
食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富な野菜を意識して食べ、糖質や脂質を抑える食事を心がけるだけでもバランスは保たれ、摂取カロリーを抑えることにつながります。
トレーニングを継続するだけの体力と、体脂肪を効率よく燃焼する基礎代謝を維持するためにも、必要最低限のカロリー摂取を心がけてください。
まとめ
体脂肪は筋トレや有酸素運動といった消費カロリーを増やす運動の継続によって効果的に減らすことができます。
肥満の原因でもある体脂肪ですが、エネルギーの蓄積や体温の保持など身体機能の維持に重要な役割も担うため、適正の範囲内で減らすことが大切です。
成人男性の場合は25%、成人女性の場合は30%を超えると体脂肪異常と判定されますので、こちらで紹介した筋トレや有酸素運動をとり入れて減少に取り組みましょう。
食事の改善にも努めれば脂肪の燃焼効率が上がり、より健康的に痩せることができますので、こちらも合わせて実践してください。