「食事制限をしてダイエットに失敗した」
「食事制限ダイエット中は何を食べればいいの?」
ダイエットを成功させるためには、食事制限が必要だと考える方も多いでしょう。
食事制限は正しく行えば効果的に理想の体型に近づけることができます。
しかし、誤った方法で食事を制限してしまうと、リバウンドにつながったり、体調を崩してしまったりと逆効果になってしまうこともあるのです。
この記事では、正しい食事制限のコツや、ダイエット中におすすめのメニュー、注意が必要な食事制限の方法について解説しています。
今度こそダイエットを成功させたいという方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
正しい食事制限ダイエットのポイント9つ
食事制限ダイエットは、その仕組みを理解し、ポイント押さえた正しい方法で実践しましょう。
早速、健康的に痩せるための食事制限のポイントを紹介します。
1日の摂取カロリーを調整する
ダイエットの基本は、体が消費するカロリーよりも摂取するカロリー量を減らすことです。
食べ物や飲み物から摂取するカロリーよりも消費カロリーが大きくなると、エネルギーを作り出すために脂肪が燃焼されます。
結果的に痩せることにつながるのです。
人が24時間に消費するエネルギー量は、大きく分けて次の3種類あります。
- 基礎代謝量(約60%)
- 食事誘発性熱産生(約10%)
- 身体活動量(約30%)
このうち、基礎代謝量は最も多くを占めており、性別や年齢、体型により左右されます。
たとえば、30から49歳、体重53kgの女性であれば、基礎代謝は1150kcalです。
厚生労働省のページにそれぞれの年齢別の基礎代謝が記されているので、参考にしてみてください。
また、運動の有無や普段の仕事内容などにより、身体活動量による消費エネルギーは大きく変わります。
これらを配慮し、1日に摂取すべきカロリーを決めましょう。
なお、実際に設定する消費カロリーは、基礎代謝量を下回らないように注意が必要です。
基礎代謝量は1日に最低限必要なカロリー量です。
不足すると健康に支障をきたす可能性が生じるためです。
参考:身体活動とエネルギー代謝 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
加齢とエネルギー代謝 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
栄養バランスを整える
食事の栄養素に偏りがあると、ダイエットは成功しません。
摂取カロリーの調整だけでなく、栄養バランスを整えましょう。
厚生労働省は、「エネルギー産生栄養素バランス」として、「たんぱく質」、「脂質」、「炭水化物」のバランスを次のように取ることを推奨しています。
- たんぱく質:13~20%
- 脂質:20~30%
- 炭水化物:50~65%
ただし、こちらは生活習慣病予防を目的とした指標です。
食事制限ダイエットでは、たんぱく質の割合を30〜40%に増やし、炭水化物の割合を減らすとよいでしょう。
なお、食事ではエネルギーのもとともなる栄養素だけでなく、食物繊維やミネラル、ビタミン類を意識して摂取することも重要です。
参考:日本人の食事摂取基準(2020年版)p166 ~170
規則正しく食事を摂る
食事は規則正しく摂取するように心がけましょう。
食事の間隔が空きすぎたり近すぎたりと不安定になると、血糖値の変動が激しくなり、体調を崩したり、太りやすい体質へと変化したりしてしまう可能性があるためです。
とくに夜間は脂肪を溜め込みやすい時間帯であり、夕食の時間が遅くなると太りやすくなることがわかっています。
寝ている間はエネルギーの消費量が減るため、寝る前に食べたものは脂肪として体に溜まりやすくなるのです。
また、就寝中に脂肪をため込んでしまう原因のひとつとして、私たちの体内時計を調節する「BMAL1(ビーマルワン)」と呼ばれる物質が関与しています。
BMAL1は脂肪の代謝を調整するはたらきを担うたんぱく質であり、夕方から深夜にかけて増加し、体に脂肪を蓄えます。
夕食はできるだけ早めに食べ終えるような習慣を作り、夜食は避けるようにしましょう。
食べる順番を徹底する
食事の際には、食べる順番を徹底するとよいでしょう。
具体的には、次の順番がおすすめです。
- 野菜のおかず
- 肉や魚などたんぱく質
- ご飯やパンなど炭水化物
野菜から食べることで血糖値の急上昇を防ぎ、体に脂肪がつくことを防ぎます。
さらに、消化に時間かかる食物繊維から食べ始めることにより満腹感を得やすくなるため、のちに食べる炭水化物の食べ過ぎも予防できるのです。
よく噛んでゆっくり食べる
食事制限ダイエット中には、よく噛んでゆっくり味わいながら食べるように意識することをおすすめします。
咀嚼回数が増えると満腹中枢が刺激され、食事により満足感を得やすくなるためです。
食事を開始してから満腹中枢が刺激され、「お腹がいっぱい」と感じるまでには約20分間かかります。
つまり、20分以上時間をかけて食べることで、少量でも満足感を得られ、食べ過ぎを予防できるのです。
「一口に30回」噛むことを目標とし、毎回の食事をしてみてください。
我慢をしすぎないようにする
食事制限ダイエット中は、我慢をしすぎてストレスを溜めないように心がけることが大切です。
ストレスが溜まりすぎると、暴飲暴食をしてしまったり、自律神経が乱れて基礎代謝が落ちたりと、ダイエットに失敗しやすくなってしまいます。
我慢しすぎるのではなく、意識的に「チートデイ」を作り、ストレスを溜めずに食事制限を行っていきましょう。
チートデイとは、ダイエット中の人が設ける「好きなものを自由に食べられる日」のことです。
定期的に高カロリーの食事を摂取する日を設定し、栄養がたくさんあると脳をだますことにより、ダイエットの停滞を防ぎます。
チートデイを正しくダイエットに取り入れることは非常に効果的です。
ぜひ試してみてください。
チートデイについては、下記記事で詳しく解説しています。
間食を工夫する
空腹に耐える我慢がつらい方は、ヘルシーな間食をとりましょう。
間食におすすめの食品は、糖質が少なめで、食物繊維やたんぱく質・ビタミン、ミネラル類を豊富に含む食品です。
- サラダチキン
- チーズ
- ヨーグルト
- ナッツ
- するめ
- 具沢山スープ など
スーパーやコンビニで手軽に手に入る食品の中にも、ダイエット中の間食に向いているものはたくさんあります。
ぜひ上記を参考に選んでみてください。
濃い味付けは避ける
ダイエット中は、濃い味付けのおかずをできるだけ避けましょう。
味付けが濃いとごはんやパンが進みやすく、食べ過ぎにつながるためです。
また、味の濃いの食品は塩分が多く含まれます。
塩分を多く摂取すると、生活習慣病を発症しやすくなったり、体に水分を蓄えて浮腫みや冷えの原因となったりします。
「減塩の食品を選ぶ」「レシピはできるだけ薄味のものを採用する」など、塩分を摂りすぎないような工夫をしましょう。
長期間継続する
ダイエットは短期間ではなく、数ヶ月単位で長期間継続することが大切です。
正しくダイエットを行っていても、目に見えて結果が出ない停滞期が訪れる時期があります。
停滞期にダイエットを諦めてしまうと、リバウンドが起こりやすくなってしまうというリスクもあるのです。
思うように結果が出ない時期があったとしても、根気強く続けることにより、健康的に体が変化していきます。
つまり、無理をしなくても続けられる程度の自分自身にあった食事制限方法を考え、取り入れることが最も大切であるといえるでしょう。
ダイエットにおすすめの食事メニュー
ダイエット中は、栄養バランスのよい食事を心がけることが大切です。
主食、たんぱく質の豊富な主菜、さまざまな野菜を使用した副菜を用意するようにしましょう。
ここからは、食事制限ダイエット中の方におすすめのレシピを紹介します。
ぜひ日々の食事に取り入れてみてください。
鶏むね肉と春キャベツのレンジ蒸し
調味料1つで本当に簡単なのに、しっとりやわらか鶏むね肉と甘い春キャベツがめちゃうまです!
節約、時短、ダイエット、作り置きにも最強の一品ですよ!
たんぱく質が豊富でヘルシーな鶏むね肉を使用したレシピです。
味をつけた鶏むね肉をキャベツの上に乗せ、電子レンジで加熱するだけで完成するので料理の時間を短縮したい方や、洗い物を減らしたい方にもおすすめです。
体を温める生姜やニンニクも入っており、代謝アップも期待できます。
野菜たっぷり!鶏ひき肉のとろとろ麻婆豆腐
低糖質、高たんぱくな鶏ひき肉を使った麻婆豆腐です。
味付けに使用するコチュジャンは、脂肪燃焼効果や整腸効果が期待できるカプサイシンや麹菌を含んでおりダイエットに役立ちます。
ナスとピーマンをたっぷり使用し、ボリューム感のあるおかずが欲しいときに嬉しい一品です。
ブロッコリーとトマトの塩昆布和え
塩昆布とツナ缶の味だけで完成する、調味料不要のおかずです。
ブロッコリーは、ダイエット中に積極的に取り入れたい野菜です。
食物繊維、カリウム、ビタミン類が豊富に含まれており、減量効果が期待できるだけでなく、健康や美容にも役立つ成分が豊富に含まれています。
簡単にできるため、作りおきにもおすすめです。
切り干し大根のソース炒め
切り干し大根を焼きそばのように炒めるレシピです。
大根を天日干しにすることで作られる切り干し大根は、栄養価が高く、健康食品としても知られています。
独特の歯ごたえがあり、満足感が得られます。
白菜たっぷり豆乳スープ
これだけでお腹いっぱいになります。
白菜は低糖質、低カロリー、さらにカリウムが豊富なのでむくみを取ってくれる働きも。
豆乳を使用しているので脂質も少なく腹持ちも良いので、ダイエット中や体型を気にしている方におすすめですが、別に気にしてないよって方にもただただ美味しいのでおすすめ!
豆乳を使用した具沢山のスープです。
低カロリー、低糖質の白菜は、ダイエット中におすすめの野菜のひとつ。
食物繊維が豊富に含まれいるので、便秘の解消にも役立ちます。
要注意!極端な食事制限はNG
食事制限はダイエットの中心となる重要な取り組みです。
しかし、早く結果を出したいからといって、極端な食事制限を行うと、リバウンドをしてダイエットに失敗したり、体調を崩してしまったりとリスクにつながりかねません。
たとえば、次のような食事制限には要注意です。
- 断食
- 特定のものだけを食べる
- 食品の種類を制限しすぎる
- 食事の回数を極端に減らす
これらの食事制限は、取り入れ方によっては効果的が認められるかもしれません。
しかし、しっかりと知識をつけたうえで行わなければ、健康に悪影響を及ぼす可能性があるのです。
断食
近年、健康維持のひとつの方法として話題に上がることの多い「断食(ファスティング)」。
一定期間食事を取ることを断つダイエット方法です。
減量効果や腸内環境の改善が期待される断食ですが、体調面へのリスクが大きいことも認識しておきましょう。
どうしても断食をしたい場合には、医師や専門家の指導のもと、正しい方法で行うことが大切です。
特定のものだけを食べる
特定の食品だけを食べる「〇〇ダイエット」も、注意すべき食事制限方法です。
特定の食品だけを摂取すると摂取できる栄養が偏るため、栄養不足に陥りやすくなります。
さらに、栄養素が不足することで疲れやすくなったり、肌荒れや便秘など健康トラブルが起こることもあるでしょう。
ストレスからドカ食いにつながることもあり、失敗しやすいダイエット方法であると認識しておきましょう。
食品の種類を制限しすぎる
「糖質制限ダイエット」や「脂質制限ダイエット」など、食品の種類を制限しすぎるダイエットにも注意が必要です。
極端に糖質を避けたり、脂肪を取らないようにしたりすると代謝のバランスが崩れ、体調に影響が出るリスクが高まります。
もちろん、必要な栄養を摂取しながら行う糖質制限や脂質制限には効果があります。
食事の栄養バランスに細心の注意を払いながら、食事制限を継続しましょう。
食事の回数を極端に減らす
「夕食や朝食を抜く」、「1日1食にする」など食事の回数を極端に減らすダイエット方法も知られています。
たしかに食事の回数を減らせば、1日に摂取するカロリー量を減らすことができます。
しかし、摂取する食品の種類が減ることにより、栄養が偏ってしまうリスクがあるのです。
栄養が不足した状態が長期間続けば、体調不良の原因になることもあるでしょう。
間違った食事制限による悪影響
前述したような間違った食事制限ダイエットを続けていると、痩せるどころか次のような健康への悪影響につながる可能性が高まります。
- リバウンドしやすくなる
- 体調に悪影響を及ぼす
- ダイエットする前よりも太る
それぞれ解説します。
リバウンドしやすくなる
間違った食事制限により過度に摂取カロリーが不足すると、リバウンドの危険性が高まります。
過度な食事制限をして摂取カロリーが不足すると、体は自分自身を守るため、エネルギーを消費しにくい「省エネモード」へ変化しようとします。
省エネモードになれば、消費カロリーが減るだけでなく、摂取したエネルギーを脂肪として蓄えやすくなります。
結果的に痩せにくくなり、食事の量を戻したり食べすぎたりした際には今まで以上に脂肪が溜まり、リバウンドにつながってしまうのです。
体調に悪影響を及ぼす
間違った食事制限は、リバウンドの原因となるだけではありません。
栄養が不足した状態が続くことで、以下のように身体的・精神的悪影響を及ぼす可能性があります。
- 免疫力が低下する
- 疲れが取れない
- 肌や髪の質が悪くなる
- ホルモンバランスが乱れる
- 貧血や骨粗鬆症のリスクが高まる
体に必要な栄養素が不足すると、疲れが取れなかったり風邪をひきやすくなったりと体調がすぐれなくなるだけでなく、将来的な病気につながる恐れもあるのです。
ダイエットする前よりも太る
間違った食事制限でエネルギーが過度に不足する状態が続いていると、徐々に筋肉が痩せ、基礎代謝が低下します。
基礎代謝が落ちると、1日に自然と消費されるエネルギー量が減るため、痩せにくくなります。
食事制限ダイエット前と同じ食事内容を摂ったとしても、脂肪を蓄えやすくなり、ダイエットをする前よりも太ってしまう可能性さえあるのです。
食事だけでなく運動や生活習慣を整える
ダイエットを成功させるためには、正しい食事制限を行うとともに、運動をしたり、生活習慣を整えたりと、食事以外の面でも工夫をすることが大切です。
食事だけでなく取り入れたい運動習慣、生活習慣について紹介します。
運動を習慣化する
日々の生活に運動やエクササイズを取り入れることで、ダイエットを効果的に進められます。
運動は大きく分けて次の2種類に分けられます。
- 有酸素運動
- 筋トレ
有酸素運動は、ウォーキングやジョギングなど、酸素を取り入れながらエネルギー消費をすることにより、脂肪を燃焼する効果が期待できる運動です。
通勤や買い物など、生活の中に取り入れていきましょう。
ダイエット目的で筋トレを行う場合は、体の中でも大きな筋肉を動かすことが重要です。
スクワットは大腿部から臀部の大きな筋肉が鍛えられるおすすめのトレーニングです。
運動が苦手な方も、1日数回から始めてみることをおすすめします。
睡眠の質を高める
ダイエット中は、睡眠の質を高めることを意識しましょう。
睡眠中には、脂肪を分解するはたらきを高める「成長ホルモン」や、食欲を抑えるホルモンである「レプチン」が分泌されることがわかっています。
十分な睡眠を確保し、スムーズに痩せられるような基盤を作ることが大切です。
水分をこまめにとる
ダイエット中は、しっかりと水分補給をすることを心がけましょう。
水をたっぷり摂取することにより、体に溜まった老廃物が流れやすくなり、血流が改善して基礎代謝が上がったり、むくみが解消しやすくなったりするためです。
食事を制限すると便秘のリスクが高まります。
水分をこまめに摂取することで便を柔らかくし、便秘予防にもつながります。
1日2リットルを目標にこまめに水を飲みましょう。
まとめ
この記事では、正しい食事制限のコツや、ダイエット中におすすめのメニュー、注意が必要な食事制限の方法について解説しました。
最後に、正しい食事制限のポイントについておさらいしましょう。
- 栄養バランスを整える
- 規則正しく食事を摂る
- 食べる順番を徹底する
- よく噛んでゆっくり食べる
- 我慢をしすぎない
- 間食を工夫する
- 濃い味付けは避ける
- 長期間継続する
極端な食事制限は、リバウンドにつながるだけでなく、心身にも悪影響を与えます。
ダイエットを成功させたい方は、ライフスタイルに合った無理のない方法で正しい食事の工夫を継続しましょう。