生まれつき食べても太らない体質「ハードゲイナー」について解説

「食べても太らない体質に憧れる、羨ましい」
「食べても太らない体質は生まれつきではないの?」
このように考えている方は多いのではないでしょうか。

食べても太らない体質は、ダイエットをしたことある皆の憧れです。
「生まれつきだから今から食べても太らない体質なんて無理だろう」と諦めている人も多いでしょう。

ただし、食べても太らない体質は生まれつきだけではありません
もともとは違うけれど、正しい方法で努力をすれば理想の体質を作れます。

本記事では食べても太らない体質の特徴や、食事や運動から体質を作る方法を紹介します。
食べても太らない体質を作りたい方は、参考にしてみてください。

生まれつき太らないハードゲイナーの特徴

生まれつき太らないハードゲイナーの特徴

ハードゲイナーとは「体質的に太りにくい人」のことを呼びます。

ハードゲイナーの人は好きなだけ食べても太らないので、ダイエットをしている人からすると、うらやましいと思うかもしれません。

しかし、同時に筋肉も付きにくいためハードゲイナーで悩んでいる方も多くいます。

ハードゲイナーは生まれつきもっている体質で、それ以外にも生まれつき太りにくい体質は以下のように分けられます。

【遺伝子の3類型】
  • 内胚葉型・・・ぽっちゃり体形で内臓が発達している
  • 中胚葉型・・・がっちり体形で骨格が発達している
  • 外胚葉型・・・痩せ体型で皮膚や感覚器官が発達している→ハードゲイナー

ハードゲイナーの方は下記のような特徴があります。

【ハードゲイナーの特徴】
  • 食べても太らない
  • 手足が長くて細身体型
  • 筋トレしても筋肉がつきにくい
  • 体が冷えやすい
  • 体が疲れやすい
  • 食事後に下腹が出る

それぞれの特徴について解説します。

食べても太らない

ハードゲイナーの一番の特徴は食べても太らない点です。
これは、食べ物の栄養素を消化吸収しにくいからです

なので、揚げ物や甘いものなどカロリーを多量に摂取しても太りにくいとされています。
消化しきれず、お腹を壊したり下痢をしやすい特徴もあります。

以上のような理由からハードゲイナーの方は食べても太りません。

筋トレしても筋肉がつきにくい

筋トレをしても筋肉がつきにくいです。
なぜなら、ハードゲイナーの方は胃腸が弱いため、栄養が吸収されにくい体質です。

なので、栄養不足のまま筋トレをするとさらに基礎代謝があがります。
結果として、筋肉がつかず、さらに痩せてしまいます。

手足が長くて細身体型

生まれつき手足が長くて細身体型な人もハードゲイナーかもしれません。
これは外胚葉型の人が体の外側にエネルギーが行きやすいからです。

そのため、手足が長く細身体型の方が多いとされています。

体が冷えやすい

体が冷えやすい特徴があります。
ハードゲイナーの方は脂肪がつきにくい体質なので、体が冷えやすくなります

体が疲れやすい

身体が疲れやすいこともハードゲイナーの特徴です。
先ほどもお伝えしたように、栄養素の吸収能力が低いため、常に栄養不足だからです。

栄養が不足した状態が続いているので、結果的に疲れやすい体になります

食事後に下腹が出る

食べた後に下腹がぽっこり出てしまう特徴があります。
これは、腹筋が付きにくいことが理由とされています

食べても太らない体質の特徴

食べても太らない体質の特徴

まずは食べても太らない体質の特徴を紹介します。
はじめに特徴を理解しておくことで、どのような体質を目指せばよいのか完成像が明確になります。

基礎代謝が高い

食べても太らない体質の特徴は、基礎代謝が高いことです。

基礎代謝とは最低限の生活を送っているだけで、消費されるカロリーを表しています。
そのため、基礎代謝が高いと日常生活で消費されるカロリー量が多くなります。

人間が痩せるためには、消費カロリー>摂取カロリーとすることが必要です。
基礎代謝が高い人は日常生活を送っているだけで、痩せやすくなることがわかります。

日常生活を送っているだけで痩せられる基礎代謝を高めるには、どうしたら良いか疑問に思うでしょう。
基礎代謝を高めるには、筋肉量を増やす必要があります。

筋肉量を増やすために定期的に軽い運動や筋トレを行うことで、基礎代謝が上がり食べても太らない体質を作れます。

腸内環境が整っている

食べても太らない体質の特徴は、腸内環境が整っていることです。

人間の体内には細菌が住み着いており、その重さは1~2kg程度だといわれてます。
そのうちの約9割が腸の中に棲む腸内細菌です。

腸内細菌の種類は1,000種類以上で、数にすると100兆個にまで達します。
腸内細菌は種類ごとにテリトリーを保って棲んでおり、全体として集団を形成し、この集団を「腸内フローラ」と呼びます。

腸内フローラは大きく分けることができ、「有用菌(善玉菌)」「有害菌(悪玉菌)」「日和見菌」の3種類です。3つの細菌の役割は以下のとおりです。

  • 有用菌(善玉菌):有害菌(悪玉菌)の増殖を抑える
  • 有害菌(悪玉菌):腐敗を起こす、毒素を作り出す
  • 日和見菌:腸内の善玉菌・悪玉菌のうち、優勢な方と同じ動きをする

善玉菌の働きにより悪玉菌の増殖が抑えられていれば、腸内フローラのバランスは良い状態です。

このような腸内フローラのバランスが乱れてしまうと、悪玉菌が優勢になり腐敗を起こしてしまい肥満になりやすいです。
腸内フローラのバランスを意識し、善玉菌を優勢にしておくことで腸内環境を保てます。

便秘を起こしていない

食べても太らない体質の特徴は、便秘を起こしていないことです。
便秘は腸内環境が悪いと起こりやすくなります。

便秘は排便できずに、不要な老廃物が腸内に溜まっている状態です。
便秘を起こし老廃物が体内に残り続けると、必要以上に栄養素を吸収してしまいます。
そうすることで太りやすい体質となるので気をつけましょう。

また、便秘を起こすと便が体内に残っている状態となり、消化に時間がかかってしまいます。
すると、栄養が細胞まで行き届かずに、きちんとした食事管理をしても効果が薄れてしまうかもしれません。

他にも、便秘になると血液の流れが悪くなってしまい、基礎代謝が低くなる可能性があります。
便秘を改善するためには腸内環境が整う、食物繊維や乳酸菌を多く含んだものを意識して食べましょう

湯船にゆっくり浸かっている

食べても太らない体質の特徴は、湯船にゆっくりと浸かっていることです。
時間がないからといって、お風呂をシャワーだけで済ませるのはよくありません

湯船にゆっくり浸かると体内の血行が促進され、代謝がアップします。
代謝がアップすると、消費カロリーが増えますので太らない体質へとつながります。

また、ゆっくりと湯船に浸かると、ストレス解消や疲労回復にも効果的です。
ダイエットに取り組んでいる方は、思うように食べれないことでストレスが溜まったり、運動により疲労が溜まったりしている方も多いでしょう。

日々のダイエットでのストレス・疲労を回復できるだけでなく、代謝を上げてくれる効果も期待できるため、湯船にゆっくりと浸かるようにしましょう。

十分な睡眠時間を確保している

食べても太らない体質の方の特徴は、十分な睡眠時間を確保していることです。

睡眠が太りやすさに影響があるのか疑問に感じるかもしれませんが、大きく関係します。
忙しくて睡眠時間が確保できず睡眠不足が続いてしまうと、体内のホルモンバランスが変化してしまいます。

睡眠不足になると発生するホルモンバランスの影響は、以下のとおりです。

食欲を抑えるホルモンである「レプチン」の分泌が減少
食欲を高めるホルモンである「グレリン」の分泌が過剰になり、食欲増加

また、十分な睡眠時間を確保することで、ストレスが溜まりやすいダイエットにおける自律神経の安定や、疲労回復の効果も期待できます。

食べても太らない体質を作る食事法

食べても太らない体質を作る食事法

食べても太らない体質の特徴を紹介してきましたが、目指すべき姿を想像できたでしょうか。
続いては食べても太らない体質を作るための食事法を紹介します。

朝ご飯をしっかりと食べる

食べても太らない体質を作る食事法は、朝ご飯をしっかりと食べることです。

ダイエットをしている人にとって、食事量を増やすのは怖いことかもしれません。
しかし、朝ご飯を抜いてしまうと食べても太らない体質を作れないため注意しましょう。

朝ご飯をしっかりと食べると、体内時計がリセットされます。
胃腸など内臓が朝だと認識し、動きが活発になり体が温まりやすくなります。
体が温まると代謝が高まるため、太らない体質が作れるでしょう。

また、空腹が長く続き食事を摂取すると血糖値が急上昇してしまいます。血糖値が急上昇すると、体が脂肪を溜め込みやすい状態となるので、「食べても太らない」とは逆の体質になってしまいます。

そのため、空腹時間が長く続かないよう意識して朝食を摂取しましょう。

栄養素を意識する

食べても太らない体質を作るためには、栄養素を意識した食事を摂取しましょう。

食べても太らない体質を作るのに必要な栄養素は「タンパク質」「ビタミン」「ミネラル」の3つです。

タンパク質は三大栄養素のひとつであり、脂肪燃焼のために重要です。
人間の筋肉や、肌や髪、内臓など体の大部分は、タンパク質によって作られています。

タンパク質を摂取することで筋肉を増やすための手助けをしてくれるため、太りにくく痩せやすい体を作れます。

ビタミンやミネラルは三大栄養素のエネルギー変換を助ける効果があり、太らない体質を作るのに効果的です。
ビタミンは種類によって効果が異なります。
体の状況によって、摂取するビタミンを意識してみましょう。

  • ビタミンB1:糖質の代謝に使われる
  • ビタミンB2:脂質の代謝に使われる
  • ビタミンB6:タンパク質をアミノ酸に分解し筋肉への合成を促す

食べる順番を意識

食べても太らない体質を作るには、食べる順番を意識しましょう。
食べる順番は「食物繊維豊富な野菜」「タンパク質の摂れる肉や魚、大豆製品など」
「炭水化物」の順に食べる
と良いです。

食べる順番には「脂肪のためこみを防ぐ」といった効果が期待できます。
なぜ、最初に食物繊維豊富な野菜を食べるべきかというと、血糖値の急上昇を抑える効果があるからです。

前述しましたが血糖値が急上昇してしまうと、体が脂肪を溜め込みやすい状態になってしまいます。

また、最初に食べる野菜はサラダでなくても問題ありません
味噌汁やスープ、きのこ、海藻など食物繊維が多く含まれているものを意識して摂取しましょう。

ゆっくりとよく噛んで食べる

食べても太らない体質を作るには、ゆっくりとよく噛んで食べることです。
ゆっくりとよく噛んで食事をすることで満腹中枢が刺激され、少量でも満腹感を得られます

食事を摂取して満腹中枢が血糖値の上昇に気づくまで15分程度時間がかかるといわれています。
そのため、食事を開始してから15分間は、満腹中枢が刺激されず満腹を感じにくい状態です。

ゆっくりと食べようとしても気付かぬうちに早食いになってしまう人も多いでしょう。
ゆっくりと食べるコツは以下のとおりです。

  • 一度口に食べ物を入れたらはしを置く
  • 硬いものを食べる
  • 食材を大きめにカットする
  • 汁物で流し込まない
  • スマホを見ずに食事に集中する

早食いをしてしまい15分以内に食事を終えてしまうと、満腹感が得られず必要以上に食べてしまうため、注意しましょう。

食べても太らない体質を作る運動法

食べても太らない体質を作る運動法

続いては食べても太らない体質を作るための運動法を紹介します。
食べても太らない体質を作るためには、日常の運動量を上げることを意識することが大切です。

日常の活動量が少ないと、基礎代謝が低くなるだけでなく自律神経の乱れにもつながるので注意しましょう。

1日30分程度のウォーキング

食べても太らない体質を作るための運動は、1日30分程度のウォーキングです。

ウォーキングは有酸素運動に該当します。
有酸素運動は20分以上経過すると、脂肪燃焼の効果が期待できる運動です。
また、ウォーキングでは下半身の引き締めの効果が期待できます
特にふくらはぎが細くなるため、下半身が気になる人におすすめです。

ただし、有酸素運動は1日だけ強度の強い運動をするのではなく、習慣化することで効果が最大限発揮されます。
1週間に1度だけ2時間歩くよりも、1週間に3〜4回に分けて1日30分歩く方が効果的です。

「通勤の電車で1駅前から降りて歩いてみる」「買い物は車でしていたけど歩いてみる」など、日常生活のなかに入れ込むことで続けやすくなります。

自宅で簡単にできるスクワット

食べても太らない体質を作る運動は、自宅で簡単にできるスクワットです。

人間のお尻や太ももには大きい筋肉があります
スクワットを行うことで下半身の筋肉量を増やせるので、効率よく基礎代謝を上げられます。

また、器具がいらず自宅で簡単にできるので、「ジムに通うのが面倒」「忙しくて30分もウォーキングの時間が取れない」という人でも続けられるでしょう。
スクワットのやり方は、以下のとおりです。

  1. 足は肩幅くらいに開く
  2. つま先はやや外向きを意識
  3. 背中を丸めず膝が90度になるまで下げる
  4. 膝がつま先より前にでないように意識
  5. ゆっくりと立ち上がる
  6. 1〜5を繰返す

スクワットは上記の運動を10〜15回程度繰り返し、それを1セットとして1〜3セット行うと効果的です。
ただし、スクワットもウォーキングと同様に継続が大切ですので、無理のない範囲で実践しましょう。

ストレッチで体を柔らかくする

食べても太らない体質を作るには、ストレッチで体を柔らかくすることです。

体が硬いと可動域が狭くなり、体を大きく動かせず運動効率が悪くなります
体が硬いと動かしたい部位を動かせず、運動しても思うような効果が得られません。

ストレッチを行い柔らかくすると筋肉や関節が伸びやすくなり、体が大きく動かせるようになります
すると、体を大きく使える分、消費カロリーアップにつながります。

また、体が柔らかくなるとスムーズに体を動かせるようになり、体を動かすことが苦ではなくなるでしょう。
体を動かすのが苦ではなくなると、運動が習慣化しやすくなり太らない体質をキープできます。

さらに、今まであまり動かせなかった筋肉まで動かせるようになり、変なところに脂肪が付きにくくなります。

食べても太らない体質を目指す際の注意点

食べても太らない体質を目指す際の注意点

食べても太らない体質を作るための食事・運動方法について紹介しましたが、実践できそうなものはありましたでしょうか。

続いては、食べても太らない体質を目指す際の注意点を紹介します。

体を冷やさない

食べても太らない体質を作るためには、体を冷やさないことです。

人間は体温が1度下がると基礎代謝が約12%低下してしまいます。
そのため、体温が下がるだけで、食べても太らない体質から遠ざかってしまうので注意が必要です。

例えば、女性の1日の平均基礎代謝量を1200kcalとした場合、体温が1度低くなると1日で約144kcalのエネルギーを消費できないことになります。

基礎代謝を下げないよう体を冷やさないための方法は、以下のとおりです。

  • 湯船にしっかりと浸かる
  • 白湯を飲む
  • 3つの首(首・足首・手首)を温める

白湯は朝起きてゆっくりと1杯飲むと効果的です。
朝は夜の眠りから覚めて体が冷えています。

朝起きて白湯を飲むことで眠っていた胃腸を起こしてあげましょう。
その後に朝食を食べると体内時計もリセットされます。

過度な食事制限をしない

食べても太らない体質を目指す場合は、過度な食事制限をしないよう注意が必要です。

ダイエットのために過度な食事制限をしてしまうと、体が飢餓状態となります。
体が飢餓状態になると、生きるのに必要な栄養素やエネルギーが足りなくなります。

すると、体は生命を維持するために栄養素やエネルギーを求め、脂肪を蓄えようとしてしまうため注意が必要です。

もし過度な食事制限で痩せれたとしても、体が栄養素を吸収しやすい状態のため、すぐにリバウンドしてしまいます
また、過度な食事制限をしていると、筋肉を育てるためのタンパク質が足りなくなり、筋肉量が減ることによる基礎代謝の低下につながります。

ダイエットをしている方は、過度な食事制限になっていないか今一度確認してみましょう。

ストレスを溜め込まない

食べても太らない体質を目指す場合は、ストレスを溜め込まないようにしましょう。

ストレスを溜め込んでしまうと、食べ過ぎを誘発してしまいます
せっかく食べても太らない体質を作るために、栄養素や食べる順番などを意識していても、ストレスによる食べ過ぎを誘発してしまうと台無しになります

また、ストレスを溜め込むと自律神経が乱れ、睡眠不足にもつながるので注意が必要です。
ダイエットをしていると「思うように痩せない」「意識することが多い」など、ストレスが溜まる原因がたくさんあります。

ストレスが溜ま理やすい状態ではありますが、以下の方法を意識することでストレス解消につながります。

  • リラックスする時間を作る
  • 追い込みすぎない
  • 朝日を浴びる
  • 適度に運動をする
  • 趣味に没頭する

まとめ

まとめ

本記事を読んで食べても太らない体質は生まれつきだけではないとわかったのではないでしょうか。

食べても太らない体質を目指すには、以下のような特徴の人を目指しましょう。

  • 基礎代謝が高い
  • 腸内環境が整っている
  • 便秘を起こしていない
  • 湯船までゆっくり浸かる
  • 十分な睡眠時間を確保している

食べても太らない体質になれれば、理想的な体型を維持できるため、誰しもが憧れることでしょう。
ただし、食べても太らない体質を作るために、体に負荷をかけすぎるのはよくありません

短期的に無理して作り上げるのではなく、長い期間で考え無理のない範囲で体質改善に取り組んでいきましょう