GLP-1受容体作動薬とは|効果や副作用、注意点をわかりやすく解説

2024/11/02 2024/12/06

糖尿病治療に用いられる「GLP-1受容体作動薬」。
これはインスリン分泌を促して血糖値を下げる効果を期待きるお薬です。
食欲抑制効果もあるため減量目的でも使用されますが、あくまで対象は糖尿病患者さんです。

こちらの記事では、GLP-1受容体作動薬の特徴、作用の仕組み、副作用、主な種類について解説しています。

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GLP-1受容体作動薬とは

GLP-1受容体作動薬とは
GLP-1受容体作動薬とは、体内のホルモン「GLP-1」の分泌を誘導し、インスリン作用を助けて血糖値を下げる糖尿病治療薬です。
膵臓の機能が低下してインスリンが出にくくなっている糖尿病患者さんがGLP-1受容体作動薬を摂取することで、血糖値が下がりやすくなります。

GLP-1受容体作動薬は脳の満腹中枢に働きかけて食欲を抑制する効果もあるため、減量にも一定の効果が示されるお薬です。

一般的に血糖値を下げる薬の摂取後は体重が増えることがありますが、GLP-1受容体作動薬にそのような傾向はみられません。

血糖値を下げる作用の仕組み

血糖値を下げる作用の仕組み
GLP-1受容体作動薬を摂取するとなぜ血糖値が下がるのでしょうか。

食事をして食べ物が消化管を通ると、小腸からGLP-1が分泌されます。
その一部が、血中を流れて膵臓に移動。
GLP-1が膵臓に運ばれるとインスリンの分泌が促され、膵臓からインスリンが放出されて血糖値が下がる、という仕組みです。

GLP-1受容体作動薬がすぐれているところは、食事をしなければGLP-1は分泌されず、インスリンも出ないこと
血糖値が高くなるタイミングに合わせてインスリン分泌が促されるため、低血糖にもなりにくいのです。

GLP-1受容体作動薬の副作用

GLP-1受容体作動薬の副作用
血糖値を下げてくれるGLP-1受容体作動薬ですが、一方でどんな副作用があるのでしょうか。

胃腸障害

GLP-1受容体作動薬の典型的な副作用は、吐き気や嘔吐、下痢、便秘、消化不良などの胃腸障害です。

まれに、胆石症や胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸といった症状が表れることもあります。
多くの場合、軽い症状にとどまり、しばらくすると治まっていきます。

症状がひどかったり、長引いたりする場合は放置せずかかりつけ医に相談してください。

低血糖

先述の通り、GLP-1受容体作動薬は他の糖尿病治療薬と比べ、低血糖になりにくいお薬です。
とはいえ、インスリン分泌を促進して血糖値を下げる効果があるため、まれに低血糖を引き起こすケースもみられます。

低血糖になると、冷や汗やむかつき、手足の震え、ふらつきなどの症状が表れ、場合によっては症状が持続することもあります。
これらの症状が表れた場合は「ブドウ糖10g」あるいは「ブドウ糖を含む飲料水150~200ml」を摂取してください。

なおブドウ糖のとり過ぎには注意すること。
チョコレートのような吸収の遅い糖分は低血糖の対処には不向きです。
糖分を摂取しても症状が引かない場合は、かかりつけ医に相談して適切な処置を受けましょう。

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GLP-1受容体作動薬の種類

GLP-1受容体作動薬は注射もしくは経口薬を服用して摂取します。
注射薬と経口薬それぞれの種類を紹介します。

注射薬

GLP-1受容体作動薬の注射薬の種類は以下の通りです。

  • ビクトーザ:1日1回投与
  • リキスミア:1日1回投与
  • バイエッタ:1日2回投与
  • トルリシティ:週1回投与
  • オゼンピック:週1回投与

これらの注製剤を患者さん自ら注射器を使って投与します。
注射器はかかりつけ医から指導を受けて適切に使用してください。

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経口薬(飲み薬)

GLP-1受容体作動薬には飲み薬もあり、「リベルサス」と呼ばれているものです。

≪リベルサスの服用方法≫
  • 1日1回経口投与
  • 空腹時(主に朝食前)に飲む
  • コップ半分程度の水(約120ml)と一緒に飲む
  • 分割したり噛み砕いたりなどの服用は避ける
  • 食後30分は飲食および他の薬剤の摂取は避ける

またリベルサスには「3mg」「7mg」「14mg」の3種類があり、経過をみながら徐々に増やしていく摂取方法が一般的です。
3mgで開始し、4週間以上摂取した後、7mgに変更して様子をみます。
7mgを試しても効果が不十分な場合、14mgに増量することができます。

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まとめ

まとめ
最後に、この記事のおさらいです。

  • GLP-1受容体作動薬は体内のホルモン「GLP-1」の分泌を促し、インスリン作用を助けて血糖値を下げる糖尿病治療薬
  • GLP-1の分泌によってインスリン作用が働くことで血糖値が下がる
  • 副作用は「胃腸障害」「低血糖」
  • ただしその他の糖尿病治療薬より低血糖のリスクは少ない
  • 注射薬にはビクトーザやトリルシティ、オザンピック、バイエッタ、リキスミアが、経口薬にはリベルサスがある

GLP-1受容体作動薬は、食後のインスリン分泌を促進することで血糖値を下げるお薬です。
処方や投与には医師の診断が必要です。

個人輸入や他人から譲り受けるなど、誤った使用方法をしないようにご注意ください。

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